経歴と業務内容(長文です)。

 

(写真は開発した初号機のドックシェルター)

 

つくし設備

代表 稲 富 博 則 と申します。

私の経歴並びに業務内容をお伝えしたいと思います。

まず最初に『冷凍冷蔵倉庫は結露することが当たり前』ではありません。                                  

結露が発生しない冷凍冷蔵倉庫にするためイニシャルコストは必要ですが、『基本設計』並びに『実施設計』でしっかりと結露対策を施すことで、衛生的で且つ建物・設備の延命は当然ながら、建物・設備の維持に必要なランニングコスト及び電力消費量を抑え、国策と言っても過言ではない『CO2削減』を伴う冷凍冷蔵倉庫の竣工は可能です。                                      逆に、竣工後に結露が生じ対策を施すには、冒頭に述べたイニシャルコスト以上のコストが必要です。また、『対処療法』となり、永遠に手間暇とコストがかかります。                                                            

その点も含め長文になりますが、ご一読いただけると幸いです。

[ 経 歴 ]

メーカー系の設備会社で冷凍・空調・給排水衛生等の点検・修理・設計業務を約13年行った後に全国に冷凍冷蔵倉庫を所有する冷凍輸送会社へ転職しました。                                                   設備会社で培った経験を基に新築の冷凍冷蔵倉庫の冷却設備の設計・施工監理及びメンテナンスを行い、特に古い冷凍冷蔵倉庫で『結露が発生する原因の調査及び恒久対策』に力を注ぎました。  

設備業者の思い、施主として施設の維持管理に抱く思いなど、『設備業者と施主』の両方の立場を経験したことで、多角的な考え方が備わりました。設備の維持管理にかかわることは当然ですが、冷凍冷蔵倉庫において結露の原因を特定し、解決に至るまで、『設備業者と施主』の両方の立場を経験したからこそ、成し得ることがあります。                                結露でお悩みの方々に対して、結露の問題を解決したいという思いが日々募り、この度起業するにいたりました。

冷凍冷蔵倉庫は常に『結露』との闘いです。                                          結露の発生を防ぐことで、お客様からお預かりした商品を清潔な環境で保管することが可能です。また潜熱負荷が減少しますので、冷却設備の稼働率が低下します。稼働率の低下=電気使用量の削減=CO2の削減にもつながりますので、結露の発生を防ぐことはとても重要です。

冷凍冷蔵倉庫の荷捌室内部に発生する結露は、高温多湿な外気が冷却された庫内に流れ込んだ時に発生します。この現象は建物の内外に温度差があると、空気の密度に差が発生し、これによって浮力の圧力差が生じて換気が行われます。

例えるなら、夏場に冷えた室内の窓を開けると、外の熱い空気が室内に流れ込む経験をしたことがあるのではないでしょうか?

冷凍冷蔵倉庫で最も外気が庫内に流れ込む箇所は『ドックシェルター』で、住宅で例えるなら『窓』に該当します。

 

かつての職場で冷凍トラックとドックシェルターの接続箇所の隙間を埋める方法を検討し、ドックシェルターの製作メーカーへ改善案を提出し協力を仰ぎましたが、『現実的ではない。』等々の理由で断られました。どうしたものかと考えていたら、ドックシェルターを製作するメーカーが所有していない『冷凍冷蔵倉庫』や『冷凍トラック(コンテナ・10t~2t)』があることに気づきました。

自身でドックシェルターの試作機を作るために必要な最高の材料が目の前にあり、ドックシェルターを製作する何処のメーカーよりも最適な環境いるので、必要なのはやる気だけです。                                        メーカー系の設備会社で得た知識もあり、『ドックシェルターの製作メーカーが相手にしてくれないなら、自分でドックシェルターを作ればいいじゃん。』的な考えのもと、接車する前に後扉を開かずにドックシェルターへ接続でき気密性が高く車種を問わずワンショットで開閉動作が行えるドックシェルターの開発を始めました。

 

結露の発生状況や結露が引き起こす問題(床が濡れているのでリフトが滑る。F級冷凍庫入口の床が凍る。天井から結露水が滴下して商品の梱包材を濡らす。段ボールが吸湿して強度を保てず荷崩れを起こす。等他にも色々あり。)点など熟知している現場のリフトマン・作業員・乗務員の方々から貴重なアドバイスをいただき、その情報を基に様々なドックシェルターの試作機を作り、冷凍車を幾度となく接車させては隙間がなくなる方法を模索し、試行錯誤しながら開発を進めた結果、トレーラーから軽保冷車まで対応可能な『ドックシェルター』の試作機が完成しました。

 

毎年約束していたかのように、決まった時期に結露が発生し、床がずぶ濡れの状態が続く冷凍冷蔵倉庫の荷捌室(16バース全て)へ試作機を設置。                                                         稼働検証を行った結果、結露の発生が無くなり見違えるほど荷捌室の環境も改善しました。当時のリフトマン・作業員・乗務員の方々から、技術者としてうれしいお言葉をいただいたことは今も忘れません。

(当HPの最初に掲載している画像です。)

その延長線上で、大阪府・大阪市が共催する『令和4年度おおさか環境にやさしい建築賞』で冷凍冷蔵倉庫として初めて『商業施設その他部門賞』を受賞することができました。                                                       起業した現在もドックシェルターの開発に注力しており、初号機の性能をはるかに超える(高気密性・省エネ・高耐久性・動作速度向上・メンテナンス性向上[DIY程度])ドックシェルターを開発し『特許』を取得しました。                                      現在は協賛いただいた企業様のご協力並びに技術的ご指導を仰ぎながら、3DCADで試作機の製図を作成中です。そう遠くない時期に試作機の製作を行う予定なので、稼働検証状況等はブログに掲載したいと思います。

 

話は変わりますが、結露の発生を抑える方法は色々あります。

 

私の経験をもとに記載しますが、冷凍冷蔵倉庫が新築であれば、冒頭で述べた通り、『基本設計』並びに『実施設計』で徹底的に結露が発生しない設計(除湿器、またはそれに類する機器は使用しません。)施工を行い、施工監理(現場定例を含む)で設計通りに施工が行えているか、詳細箇所も含め、徹底した確認作業を行います。                                            その分イニシャルコストは掛かりますが、後で結露が発生した際に対策を施す費用の方が『高額』です。環境は『不衛生』になり、建物や設備の寿命を縮めてしまいます。最初に徹底的に対策を施すことが、一番安価であり、安心して30年から40年以上という長い間ご使用いただける冷凍冷蔵倉庫が完成します。

                                                             では、どのくらい結露を発生させない自信があるのか、数値で表すことは難しいのですが、もし数値で表すならば95%はこの工程で結露(荷捌室・天井裏・外壁と断熱パネルの間の空間、貨物エレベータのシャフト内部、垂直搬送機のシャフト内部、動力・電灯分電盤内部、断熱パネル貫通部他)を防ぐことが可能です。事実、かつての職場で私が携わった冷凍冷蔵倉庫は、竣工後に結露は発生していません。                                                            残りの5%は『自然が相手』なので、想像もつかないところから結露が発生したりします。失礼ながら、これはこれで新たな事象になりますので、原因を特定し結露が発生しないように施工します。また、新たな結露対策として、同じことが発生させないようにします。

                                                                         私が携わっていない冷凍冷蔵倉庫で実際に起きたことですが、5月初旬に竣工し6月下旬には冷凍冷蔵倉庫の至るところに結露が発生していました。                                                         特に酷かったのは、貨物エレベータのシャフト内部に結露が発生し、断熱材及び耐火材が結露水を含んで断熱材の断熱性が低下し、耐火材にカビが生え、ピットは水たまりになり、トップビーム・レールブラケット・マシンビーム支持部・トロリービーム・ワイヤー・ヘッダーケース及び三方枠取付材に『錆』が発生しました。垂直搬送機の扉を昇降させるワイヤーが錆で侵され、扉の昇降中にワイヤーが破断したこともありました。                                                            調査を行い原因を特定し、『恒久的な対策』を施し結露は収まりましたが、調査をすればするほど『結露が発生して当然の施工だなぁ。』と強く思った現場でした。                                                       新築で事前に詳細な打合せを行えば、詳細な箇所まで結露対策を施しますので、そのようなことはまず起こりません。しかし、新築の場合であっても、しっかりと対策を施さない場合は目視できない箇所で結露が発生します。時間の経過とともに思いもよらぬで結露水が溜まり、思いがけないところからポタポタと結露水が滴下することがあります。                                       

                                                             既設の冷凍冷蔵倉庫の場合、除湿器を設置し『対処療法』でその場をしのいでいるのが実情ではないでしょうか。新築と異なりあらゆる対策を行うものの、満足できる結果を得られることは少ないかもしれません。                                                                 また、『対処療法』は厄介で費用も高額になります。結露対策のために設置した機器を稼働させるため、想像を絶する電気の使用量の多さ≒CO2排出量増加≒電気料金増加に驚かれると思います。

私は現場調査を行い原因を特定します。冷凍冷蔵倉庫の構造にもよりますが、解決のために可能な限り、電気使用量が少ない『恒久的な対策』を提示します。

結露対策は『自然が相手』なので、絶対とは言い切れないのですが、新築はともかく、既設の冷凍冷蔵倉庫でも今まで培ってきた経験をもとに調査を行い結露の原因を特定します。既存のよくある『対処療法』を安易に提示するのではなく、可能な限り環境に配慮し『恒久的』な結露対策をご提案できる自信がありますので、結露でお困りの方はぜひご相談いただけたら幸いです。

 

[ 業 務 内 容 ]

主な業務は『冷凍冷蔵倉庫の結露調査・原因特定・解決』ですが、他にもF級庫内の霜付・両引防熱扉床着氷予防・改善対策、冷凍冷蔵倉庫内部監視カメラ設置、エアコンの設置や修理、冷却器ドレン排水の詰まり修理、エコキュートの修理、一般家庭の台所やトイレの排水管高圧洗浄、一般的な電気工事等、設備に関することでお困りの際にご連絡をいただけたら、対応させていただきますので何卒よろしくお願いいたします。

                                                                

『国家資格』

二級建築士(一級建築士事務所登録:一般社団法人 福岡県建築士事務所協会 名簿記載)

一級管工事施工管理技士

一級冷凍空調調和機器施工技能士

第二種電気工事士

二級ボイラー技士

第三種冷凍機械責任者

 

『特許証』

特許第7440696号 ドックシェルター

 

2024年5月1日 カテゴリー: お知らせ

 

 

 

 

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